(1)間違いだらけの酵素健康法

 酵素は、あらゆる生物にとってなくてはならないものです。植物も動物も人も、生命を維持するために体内では様々な生体活動を営んでいます。その生命活動を行うためには、酵素の助けが必要です。酵素が不足すると、生命活動が衰えて老化が進んでいきます。
人は、25歳を過ぎると体内の酵素は減っていきます。
しかし、この酵素を外から補おうとするのは、間違いです。返って体力が落ちて、老化が進んでいきます。

その理由は、

  1. 酵素は、必要な時必要な種類のものがそれぞれの細胞から生まれます。すべての細胞が、酵素を生成します。酵素は、それぞれが独自のものであり、他の酵素では代替できません。そのため、人体には3000種以上の酵素があります。
    植物からとる酵素は、人体で産生するものとは異質のものです。体内に入れば異物であるため、生体にとっては負担になります。場合によっては、拒絶反応をおこします。 
  2. 酵素はタンパク質が主成分です。そのため、胃腸に入れば胃と腸の消化酵素によって分解され、アミノ酸に変化します。したがって、酵素のままで体内に吸収されることはありません。
  3. 植物に含まれる消化酵素の絶対量は、微量です。相当多くの植物を食べても、胃液に 含まれる酵素の量とは比較できないほど少なく、活性度は低いものです。
    したがって、消化の助けにはなりません。
    果物や生野菜の陰性成分を多量に摂りこむことで、逆に消化力が低下します。
  4. かりに、外部から摂り入れる酵素が体内で働くとしたら、廃用性萎縮がおこり自ら酵 素を生成できなくなり、全身の機能低下に陥ります。
  5. 合成酵素や発酵飲料など酵素を補う物は、有害です。
    液体は、砂糖、合成クエン酸、合成エタノールなどで保存してあり、マイナスの方が大きいものです。粉末は、乳糖などと混合してあります。
    蔗糖、ブドウ糖、果糖、乳糖など精製糖類の害や、合成エタノールなどのマイナス面 の方が、はるかに大きくなります。