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食中毒病原菌を殺すだけでは解決できない

夏は食中毒の季節です。毎年多くの方が食中毒にかかって、苦しい思いをしています。亡くなる人も、数多くいます。

食中毒を起こす菌は、普段の生活環境にあふれています。感染を避けるために注意することは、菌を増殖させる条件をつくらないこととされています。菌が繁殖しやすい食物は、密閉して冷蔵庫に入れておく。とくに中毒を発生しやすい食材は、作り置きをしないなど、細心の注意が必要です。また、こまめな手洗いも大切とされています。菌が繁殖しやすい調理器具などは、丹念な消毒をすることも必要とされています。それでも食中毒は、後を絶ちません。食中毒の半数近くは、おにぎりで発生しています。

菌を殺すために、丹念に身の回りを殺菌することが勧められています。まな板、包丁、ふきん、冷蔵庫の中と、次々に殺菌していくことが最善の予防策といわれています。ところが、殺菌を念入りに行うことで新たな問題が発生してきました。耐性菌の増加です。

耐性菌は、抗生剤などの薬が効きません。多剤耐性菌のように、ほとんど抗生剤が効かないタイプも増加しています。今後も耐性菌が増え続けていくと、強力な新型の耐性菌が生まれて流行すると、大変なことになります。

病気の原因を外にばかり求めていては、いつか限界がきます。外部から侵入してくる菌が原因のすべてだとしてこれを排除することだけを考えるのではなく、なぜ体内で繁殖をするのかを知るべきです。体内で菌が繁殖しないようにすれば、感染はないわけです。

本来、人の体内では、幾重にも防衛機能が備わっています。菌がこれを突破するのは、容易なことではありません。唾液、胃液、腸液、胆汁、膵液と次々に出てくる分泌液は、強力な殺菌力をもっています。その防壁を突破しても、さらにその奥には、小腸の壁に待機している様々な免疫細胞が、菌を殺します。ここも突破して大腸にまで菌が侵入しても、盲腸にある虫垂から免疫細胞が出て菌を分解します。ここも突破して大腸内にまで侵入しても、腸内菌が病原菌を殺してくれます。一連の防衛システムのすべてを突破して菌が繁殖すると、感染ということになります。それは、かなり内部条件が悪いということになります。

食中毒を確実に防ぐには、体内条件を悪化させるようなことをしなければ良いのです。体内条件を悪化させる最大の原因になるのは、暴飲暴食、過食です。食事は常に控えめで濃厚なものは多く摂らず、シンプルな食事を心がけていれば、食中毒にはめったにかかりません。

もしも感染した場合の対処法は、また別の機会に解説します。

2012年09月10日 14:42:08  更新

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